いまさら聞けないシリーズその14 最適なサウンドを聞き分ける方法

2017年10月19日

mackie_blog_trust_ears
最適なサウンドを聞き分ける方法
このタイトルはいまさら聞けないシリーズというより、サウンドエンジニアにとっては永遠のテーマかもしれませんね。サウンドエンジニアにとって、もっとも難しいのは自身の耳で聞いた音が本当に正しい音なのか?という自身のリスニングスキルを信頼する方法を学ぶことです。自身の耳で聞いた音を信頼する方法を学ぶためには長年の経験が必要です。多くの環境で様々なジャンルの音楽を扱うことにより経験値は確実に上がっていきます。ロールプレイングゲームと一緒ですよ。瞬時に経験値をあげることはできません。もちろん基本知識は必要ですが、セオリーどおりに毎回同じようにマイクを設置しても必ずしもすばらしいサウンドを得られるというわけではございません。現在の状況に応じて適切なマイクを選択し、最適な音でレコーディングやPAオペレートができるかどうか。最終的にはサウンドエンジニアの耳で判断するしかないのです。

様々なことを常に試しましょう
自身の耳の経験値を上げるためには常に実験することが必要です。たとえばギターをレコーディングする場合、ミュージシャンのセッティング次第でレコーディングされる音は異なります。これはギターの弦、アンプに接続しているシールドケーブルを交換するだけでも音が変化します。もちろんマイクの設置位置でも音が変化します。もしこの変化を感じないエンジニアがレコーディングを担当した場合、ミュージシャンは一日を無駄にしてしまうでしょう・・・。最適なサウンドでレコーディングをするにはレコーディングを開始する前に様々なことを検証する必要があります。「マイクは歪んでいないだろうか?」「今回使おうとしているマイクとマイクプリアンプの相性はよいだろうか?」「最終的に録音される音はこの曲に見合ったサウンドなのかどうか?」「マイクの設置位置は適切かどうか?」等々 これらの決定はすべての録音の結果に影響してきます。

まずはなんでも経験しましょう
もしあなたが音響専門学校などでサウンドエンジニアになるために勉強をしてきたとしましょう。新人としてはじめて現場で仕事をした場合、学校で学んだ基礎知識はもちろん大切ですが、現場にいる先輩から学ぶことにより経験値を上げていくことができます。前述の通りできるだけ数多くの現場で様々なジャンルの音楽の仕事をしてください。もし現場で苦手な先輩が一緒だったとしても、あまり好みでない音楽ジャンルだったとしても、経験値は上げることができます。大好きなロックだけの現場にかかわりたいと思うかもしれませんが、それではあなたの耳は成長しません。大なり小なりどこでどう経験値が上がるかわからないので、何度も言うようですが多くの現場で様々な音楽を体験してください。

あなたの経験値が上がっていくことが、あなた自身が自分の耳で聞いた音を信頼することができる唯一の方法です。あなたの耳が最終的なサウンドを決定付けます。経験値を積んだエンジニアの耳がミュージシャン、リスナー含むすべてのこの音楽に携わる方々の満足度を上げることができます。ぜひ多くの経験をして、よりよい音楽を作り上げていってください。

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