いまさら聞けないシリーズその6 バランスとアンバランスの違いは?

2017年5月1日

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オーディオシステムで使用するケーブルは音質に大きな影響を与えます。接続方法によって異なりますがすべてのケーブルはノイズの発生源になります。音声信号がケーブルの中をどのように伝送されるかを理解することにより、ノイズ発生のリスクを最小限に抑えることができます。オーディオシステムを構築する際、重要な事項としてバランスで接続するのか、アンバランスで接続するのかが重要になってきます。ここでは、これらバランス、アンバランスの接続方法の違いのいくつかを簡単に説明します。

アンバランス接続とは2本のケーブルを使ってい、そのケーブルは信号を伝える線とアース線とで構築されます。アンバランスケーブルは一般的にはTS(チップ/スリーブ)ケーブルと言われ、主にギターやベースなど楽器で使用されます。また多くのコンシューマーオーディオ、AV機器などで使用されている赤と白のRCAケーブルもアンバランスケーブルの一般的な例です。
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アンバランスケーブルではアース線は信号を伝送する内部ワイヤに巻かれています。アンバランスケーブルではアース線は2つの役割を持っています。1つはオーディオ信号のマイナスの信号を伝送しかつ、メインのプラスの信号を伝送するケーブルを外部のノイズ、干渉から遮蔽する役目をしています。アンバランスケーブルの弱点はアース線自体がアンテナのような役割をしてしまい、ノイズを拾ってしまいます。長くなればなるほどアンテナの役割をアース線が果たしてしまうので、一般的には5m程度までとされています。このような状況からプロオーディオの世界ではアンバランスケーブルは用途が限定されてしまいます。

一方、バランスケーブルはプラス、マイナス2つの音声信号を送るケーブルとは別に独立したアースのみを取るケーブルが用意されています。アンバランスケーブルと同様にバランスケーブルのアースは2本の信号線を包み込み、ノイズや外部からの干渉を防ぐシールドとして機能します。XLRケーブルと6.3ΦTRS(チップ/スリーブ/リング)ケーブルはプロオーディオの世界でもっとも一般的に使用されているバランス型コネクターを採用したケーブルです。バランスケーブルでは、1本の線がもう一方の線と180度位相が反転していることを除いて、それぞれ同じ音声信号を送っています。すべてのノイズは両方の接続で同じように乗ります。これを受けた機器は2つの信号を相互に同相に戻します。これは2つの信号間で180度位相がずれたノイズを相殺する役割を果たします。これはオーディオ用語で同相信号除去、コモンモード除去(CMR)などといわれています。

高価なマイクや、高価なミキサー、高価な音響機器をいくら使用しても伝送方法が間違えていればノイズが発生してしまい、せっかくのシステムも台無しになってしまいます。ただしマイクケーブル1本に何十万円も費やす必要はございません。音響機器のシステム構成を見直してください。バランス接続できる機器に、アンバランスで接続してませんか?その間違えた接続を修正するだけで、ノイズが軽減されることが多々ございます。

すべてのMackieミキサーの6.3Φホーン端子はすべてTRS/TSいずれも対応しております。TRS端子(バランス)で接続時はバランス、TS端子(アンバランス)で接続時はアンバランスになります。これは入力、出力いずれも同じ仕様です。このようにバランス、アンバランス両方接続対応可能なコンパクトミキサーは以外に少ないですよ。是非、多用途で使用可能なMackieミキサーを導入検討されてみてはいかがでしょうか?

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