iPadと共に使用可能なデジタルミキサー「DL1608」6台が、去る2014年11月11日(火)、DANCE HALL 新世紀にて開催されたRed Bull Music Academy presents 【Chaos Conductor】イベントを全面的にサポートしました。
Red Bull Music Academy presents 【Chaos Conductor】とは、過去10年近く、強烈なライブ体験を提供してきたことで知られているBoredomsのEYヨと2013年NHK朝ドラの「あまちゃん」の音楽でレコード大賞作曲賞他多くの賞を受賞した大友良英を招き、Red Bull Music Academy参加者達の即興演奏を指揮するというスペシャルなイベント。30名のミュージシャンがそれぞれ楽器やパソコン音源などをステージ上に持ち込みで即興で演奏し、その演奏を2人の指揮者が即興演奏を指揮するという予測不可能でスリリングなイベントでした。
センターステージが設置され、30名のミュージシャンの音源を取りまとめたのが、iPadと共に使用可能なデジタルミキサー「DL1608」6台でした。2人の指揮者は別々の演目だったため2ステージ構成で開催。16入力8出力の「DL1608」のほぼすべてのインプット、アウトプットチャンネルを使用。(Input:16×6=96ch/Output:8×6=48ch)
当日、メインミックスを担当していただいた(株)エディスグローヴ 中原 楽 様にお話をお伺いいたしました。
「今回、DL1608を6台も使用した経緯を教えてください。」
『今回、2ステージ構成で、転換時間が限られていたんですね。70chの入力が必要で楽器も、マイクも、PCからの音源も転換時、差し替える時間がなかったんです。またアコースティック楽器を演奏する28名のミュージシャンそれぞれに、楽器用アンプ代わりに28台のスピーカーを設置しなければならず、AUXアウトが28系統必要だったんです。大型デジタルミキサーを複数台使用することも検討したのですが、設置場所も限られていたりなど、さまざまな制約があって。コンパクトにまとめられないかと・・・。』
「それでMackie DL1608を複数台使用することを思いついたのですね?」
『楽器用アンプ代わりの28台のスピーカーへはDL1608のAUXアウトを使いました。28台のスピーカーすべてにコンプと31バンドのEQがかけられるのもDL1608を採用した大きな理由です。また、DL1608はコンパクトで場所もとらず、iPadですべて遠隔操作が出来るので、当日はステージの下にミキサーを仕込みました。1台のDL1608で16入力のサブミックスを組むイメージです。サブミックスを組んでステレオアウトを他社の32chデジタルミキサーに送りました。』
「他社の32chデジタルミキサーでもミキシングをしたのですか?」
『ほぼしてません(笑) DL1608からのサブミックスを取りまとめ、メインスピーカーに送っただけのミキサーです。あとはモニター送りぐらいですね。』
「大きなサブミキサーですね。(苦笑)」
『ほとんどのメインミキシングは6枚のiPadだけで行いました。大きなデジタルミキサーをFOHに置いたのですが、DL1608を操作するためにiPadを触っている時間のほうが多かったです。またサポートで、他のエンジニアが別のiPadで調整してくれるのも楽でしたね。さらに各チャンネルに写真やアイコンを貼り付けられるのも視認性があがって助かりました。いかんせん、これだけの入力チャンネルですからね。瞬時にチャンネルを認識できるこの機能はMackieだけですよ。テープでベタベタミキサーに名前を書き込まなくていいのがすばらしい! もちろん。音質も大満足です。EQ/コンプ/ゲート/空間系エフェクター オールインワンなので余分なアウトボードも不要ですしね。』
「ありがとうございます。今回のイベントには間に合わなかったのですが、32chヴァージョンのDL32Rがあればさらに省スペースで設置が可能ですよ。」
『そうですね。32入力14アウトもあるんですものね。しかも3U。FOHにサミングミキサーを設置する必要も無くなりますね。』
「はい。2015年1月ごろから日本でも発売開始予定です。」
『それは楽しみです!是非一度使ってみたいですね。』
「ありがとうございます。今後ともMackie DLシリーズミキサーご愛顧のほど宜しくお願い申し上げます。」
Red Bull Music Academyは若く才能溢れるアーティストたちを支援する世界を旅する音楽学校です。世界各地でフェスティバル、ワークショップ、レクチャー等をこれからも開催予定です。前衛的かつ創造意欲に溢れるクリエイターたちのプラットフォームとなる機関・団体として、世界中にネットワークを広げ、その存在を築いてきたRed Bull Music Academy。今年の東京での開催はすでに終了してしまいましたが、まもなく来年の開催都市が発表されます。是非機会があれば次回のイベントに皆様も参加されてみてはいかがでしょうか?
Red Bull Music Academyの詳細は、こちらまで。